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住宅ローン減税【じゅうたくろーんげんぜい】

★ローンの金利を下げ、減税し、相続税を増税すれば、人々は家を建てる!?


  世の中、政治も経済も右に偏ってしまっていますので、積極財政=大きな政府=所得再分配という左派政策は採られません。この前提の下で景気対策を採ろうとすると、かなりの無理、無茶が必要になってくるわけで、「マイナス金利」もその一つということです。 そんな「マイナス金利」に続いて、「住宅ローン減税」の話になります。末端での資金需要喚起のための住宅ローン減税という財政政策です。


 政府・日銀が描く景気回復シナリオはこんな感じです。


 住宅ローンの金利を下げ、減税のおまけをつけ、ついでに相続税増税のムチまでくれてやれば、人々はどんどん家を建てるので、関連需要が増え、銀行の貸出しも増え、景気拡大の好循環が回り出すと。たしかに、この「住宅建設促進・三本の矢」が揃って以降、町ナカでは明らかに建築現場が増えており、、住宅建設促進の効果があったことは、間違いありません。


 ところが、景気全体で見てみると回復にはほど遠く、日銀の物価目標もまだまだ先の話といった感じです。なぜ、本来なら景気との連動性が高い住宅建設が増えているのに影響が限定的なのか?  それは、不自然な政策の結果だからです。 実はこの政策、本当に家が欲しい人には恩恵がなかなか行き渡らない構造になっています。


 具体的には、住宅ローン減税を丸々活用できるくらいの所得税額の人は、税金を払うかわりに金利を払い続けているだけ(追加出費ゼロ)で、そのうちインフレ効果で貨幣価値は半分になるので、その間に借入相当額は適切な運用で倍になるから、その運用益で元本を払えば、1円も使わずに家が手に入るという話です


 この「住宅建設促進・三本の矢」は、ものすごく簡単に言うと、高額所得者にだけ家をタダであげるという政策なんです。


 たとえば3000万の遊び金のある人間が、それを使わずにわざわざ借りて受けられる恩恵ですので、まず、即金で家を買えるだけの余裕がなければ活用できませんし、所得・所得税額が低ければ、金利負担の一部は追加出費となるので、さらにメリットは薄れます。


 つまり、本当に家が欲しい人ほどうまみが薄くなる仕組みで、財政政策としても、中・高所得層に手厚い逆分配政策になってしまっています。その当然の結果として、規模最大の低所得層に対する消費増税の悪影響の方がインパクトでは勝り、景気はむしろ悪化を続けているというのが実情です。




文・土屋彰久(政治学)